前回の記事では、喉の締め付け感を「パニック障害の症状」とだけ考えていたものの、実際には逆流性食道炎や咽喉頭逆流が関係していた、という体験を書きました。
この記事では、その続きとして、私が逆流性食道炎を改善するために実際に試したことをまとめます。
私が重視したのは、症状を一時的に抑えることだけではなく、逆流が起きる背景をエビデンスベースで整理し、実際に自分の症状に当てはまるかを確認することでした。具体的には、自分の食道や胃の状態を確認すること、悪化する食品を見つけること、そしてSIBOとの関係を踏まえて対策することです。
※この記事は私個人の体験談です。薬やサプリの使用、中止は人によってリスクが異なります。特にバレット食道、強い胸痛、出血、体重減少、飲み込みにくさなどがある場合は、自己判断で放置しないでください。
まず確認したこと:自分の逆流性食道炎の状態を知る
私の場合、胃カメラを受けたことで、バレット食道と言われました。この経験によって、逆流性食道炎は単なる不快症状ではなく、長く続くと食道の状態にも影響するのだと実感しました。
喉の違和感や胸やけがあるだけだと、つい我慢してしまいがちです。しかし、長期間続く場合や症状が強い場合は、自分の食道や胃がどうなっているのかを一度ちゃんと確認することは大事だと思います。
PPIで症状は抑えられたが、根本対策を探した
PPIを飲んでいる間は、喉の痛みや逆流感がある程度抑えられました。その意味では、症状が強い時に助けられたのは事実です。
ただ、私の場合は薬をやめるとすぐに悪化しました。そのため、私の中では「治っている」という感覚はありませんでした。胃酸を抑えている間だけ症状が抑えられているように感じたからです。
また、胃酸は消化や感染防御に必要なものです。胃酸を長期間抑え続けることで、消化不良や腸内環境に影響が出る可能性もあります。
そこで、逆流性食道炎とSIBOの関係を示す情報を調べ、私の症状にも当てはまるかを確認するようになりました。
SIBOと逆流性食道炎の関係
SIBOは、小腸内細菌増殖症のことです。
小腸内で細菌が増えすぎることで、ガス、腹部膨満、消化不良などが起こるとされています。
逆流性食道炎とSIBOには関連があることが研究で示されており、その関係を説明するメカニズムも提案されています。
SIBOによって小腸内でガスが発生すると、腹圧が上がり、胃の内容物が逆流しやすくなります。つまり、胃酸が多すぎるから逆流するという単純な話ではなく、小腸内のガスや腹圧の上昇が、噴門、つまり下部食道括約筋に負荷をかけ、逆流を引き起こす要因になるということです。
また、胃酸を抑え続けることで、未消化の食べ物が増えたり、細菌が増えやすくなったりし、SIBOが悪化する可能性も指摘されています。
もちろん、すべての逆流性食道炎がSIBOだけが要因ではありませんが、私の場合はSIBO対策を行うことで逆流症状がかなり改善したため、少なくとも自分の体では原因のほとんどであったことは明らかです。
食事療法1:FODMAP制限
最初に試したのは、SIBO対策としてよく言われるFODMAP制限です。
FODMAPは、腸内で発酵しやすい糖質の総称です。 これを制限することで、ガスの発生を抑え、SIBOや過敏性腸症候群の症状を軽くするという方法です。
食べられない食材が多すぎるため、日常生活の制限がかなり大きくなりました。 数か月は試しましたが、最終的には挫折しました。
改善を目指す方法としては有力だと思いますが、私にとっては長期的に続けられる方法ではありませんでした。
食事療法2:低炭水化物
次に、炭水化物を減らす方法も試しました。
SIBOでは、発酵しやすい炭水化物が小腸内の細菌のエサになり、ガス産生や腹部膨満を悪化させることがあります。そのため、炭水化物、特に発酵しやすい糖質を減らすことで、腸内発酵を抑えられる可能性があります。
たしかに、炭水化物を減らすことで症状が軽くなる感覚はありました。
しかし、長期的な極端な糖質制限が必ずしも健康に良いとは言えず、死亡率や心血管リスクとの関連を指摘する研究もあります。また、食生活の制限も大きくなるため、低炭水化物を長期間続けることには抵抗がありました。
そのため、これも長期的な解決策としては続きませんでした。
私には、極端に炭水化物を減らすより、悪化しやすい食品を特定し、量とタイミングを調整する方が現実的でした。
検討した対策:リファキシミンは最後の手段として保留
SIBO対策として、リファキシミンという抗菌薬が使われることがあります。
私も選択肢の一つとして検討しましたが、医師に相談しても処方できないと言われました。実費で入手する方法も考えましたが、抗菌薬を使うことには慎重になりたかったため、最後の手段として保留しました。
結果的には、リファキシミンを使わなくても、DGL、ハーブ、生活習慣の調整でかなり改善しました。
粘膜ケア:DGL
私にとって非常に効果が大きかったのがDGLです。
DGLは、脱グリチルリチン化リコリスといい、リコリス(甘草)から、血圧上昇やむくみに関係しやすいグリチルリチンを除いたものです。DGLは口の中で溶かして飲みこむ摂取方法になります。
体感としては、喉や食道の炎症感が大きく改善しました。また時々できる口内炎にも効きました。
以前はバレット食道の診断を受けていましたが、その後、再度胃カメラで確認したところ、バレット食道ではないことが確認されました。私としては、DGLを含む対策は本当に効果がありました。
ただし、DGLは逆流そのものを物理的に止めるものではありません。 粘膜の保護や炎症感の改善には役立ったと感じますが、逆流が起きる原因そのものへの対策は別に必要でした。
SIBO対策:抗菌ハーブ
次に試したのが、抗菌作用が期待されるハーブです。
私が試したものには、以下があります。
- ミントオイル
- オレガノオイル
- ベルベリン
- ワームウッド
- ガーリックオイル
- レモンバーム
これらも、私にはかなり効きました。
SIBOでは小腸内の細菌増殖が問題になるため、腸内の細菌バランスを整える目的で抗菌作用が期待されるハーブを使う方法があります。私の場合も、この方法はかなり効果がありました。
ただし、ハーブは人によってはあわないケースがあるようで、ミントオイルやオレガノオイルは刺激が強すぎることがあります。 ベルベリンも体質や薬との相互作用に注意が必要です。
また、ハーブには他の効果もあるため、私の場合は同じものを長く続けず、いくつかのハーブをルーティーンさせています。
食事の20分ぐらい前または就寝前に飲むのが良いようです。飲み始めて1〜2週間でかなり改善を体感し、改善したら一旦飲むのを止めています。
消化サポート:胃酸を抑えるだけではなく消化を助ける方向へ
PPIで胃酸を抑えると症状は軽くなります。
しかし、私の場合は胃酸を抑え続けることが根本解決ではないと感じていました。
胃酸が少ないと消化が悪くなり、未消化の食べ物が腸内で発酵しやすくなり、SIBOを悪化させる可能性があるということだったので、胃酸を減らす方向ではなく、消化を助ける方向も試しました。
具体的には、消化酵素やHCLなどです。
体感としては、おそらく効果はありました。
ただし、HCLは強力で、飲み方によっては胃が痛くなります。 私も胃痛が出たため、中断しました。
この方法は合う人には合うかもしれませんが、かなり慎重に扱うべきだと思います。
物理的対策:ベッドの角度を上げる
生活習慣の中で、非常に効果を感じたのがベッドの角度を上げることです。
私の場合は、ベッドの頭側をレンガで15cmほど上げました。
これはかなり効きました。
逆流性食道炎は、横になると逆流しやすくなります。 そのため、寝ている時に上半身が少し高くなるだけでも、物理的に逆流を防ぎやすくなります。
薬やサプリと違って、体に何かを入れるわけではないため、比較的取り入れやすい方法だと思います。
ただし、上げすぎると寝にくくなったり、体がずり落ちたりします。 無理のない範囲で調整することが大切です。
生活習慣:寝る3時間前から何も食べない
もう一つ、非常に効果を感じたのが、寝る3時間前から何も食べないことです。
これはシンプルですが、かなり大事です。
横になる時に胃の中に食べ物が残っていれば、当然逆流しやすくなります。
私の場合、寝る前の食事をやめることで、寝起きの喉の不快感がかなり減りました。
この対策は副作用も少なく、すぐに試しやすい方法だと思います。
悪化しやすかった食品
私の場合、悪化しやすかった食品はかなりはっきりしていました。
特に強かったのはチョコレート、カカオです。
そのほか、緑茶、炭酸水、アルコールも悪化要因になりました。
健康に良いとされる食品でも、自分の体に合わないことはあります。
特に、毎日食べているものは原因に気づきにくいです。
私もカカオは体に良いと思って食べ続けていたため、それが逆流を悪化させていると気づくまでに時間がかかりました。
もし原因不明の喉の違和感や逆流症状がある場合は、毎日食べているものを一度見直す価値はあると思います。
ただ、今は上記の改善を行うことにより、これらも普通に摂取できるようになりました。
私にとって重要だったのは、これらの食品を一生禁止することではなく、逆流しにくい状態を作ったうえで、自分に合う量を見極めることでした。
私に効果が大きかった順番
私の体感では、特に効果が大きかったのは以下です。
- 悪化する食品を特定して控える
- 寝る3時間前から食べない
- ベッドの角度を上げる
- DGLで炎症感を抑える
- ハーブでSIBO対策をする
- 消化を助ける方法を試す
この中でも、最初に試しやすいのは、食品の見直し、寝る前に食べない、ベッドの角度を上げることだと思います。DGLもとても効果がありました。
ハーブや消化サポートは効果を感じた一方で、体質差も大きいです。 そのため、生活習慣の対策を土台にして、その上で慎重に試すのが良いと思います。
現在の状態
現在、逆流性食道炎はほぼコントロールできるようになっています。
カカオやチョコレートも、普通に食べることができるようになりました。
ただし、食べすぎると今でも症状は出るため、量のコントロールは必要です。
私にとって大事だったのは、特定の食品や薬を一生禁止することではありませんでした。
自分にとって何が悪化要因になるのかを知ること。 症状が出る仕組みをエビデンスベースで理解すること。 そして、逆流が起きにくい状態を作ること。
それが改善につながったと思います。
まとめ
私の逆流性食道炎は、典型的な胸やけではなく、喉の締め付け感として出ていました。
最初はパニック障害による喉頭異常感症のようなものだと思っていましたが、実際には逆流性食道炎や咽喉頭逆流、そしてSIBOが関係していました。
PPIは症状を抑える効果がありました。 しかし、私の場合はやめるとすぐ悪化したため、根本対策を探しました。
その結果、DGL、抗菌ハーブ、ベッドの角度を上げること、寝る3時間前から食べないこと、悪化食品の特定などによって、かなり改善しました。
特に大事だったのは、喉の締め付け感を「精神的なもの」とだけ考えなかったことです。
体の症状には、実際に身体的な原因が隠れていることがあります。
私の場合、そこに気づいたことが、改善への大きな一歩でした。
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